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MIGNON<前編>・<後編> いやー、久し振りにゆったりとファンタジー読んだわ。

 □(d'Alembertian) さんの小説。ジャンル百合。

 サークル名の読み方は『ダランベルシアン』で、ドイツ語か何かしらとか思いつつ、どうやら数学とか物理学関係の用語だった様で。波動方程式って意味らしいですが、そこまで俺物理オタクじゃないんで気になる人は自分で調べてみてね。

▼<前編>感想
 前編を読んだ限りでは、一つの物語をオムニバス形式で進めていくらしく、幾つかの短編が『挿話』という形で収録されています。

 出てくるのはウサギ(兎とは書かない)と月とかぐやさん。
 まー、この時点で赫夜姫モチーフですね。

 物語としての事の始まりはかぐやさんが月に帰るところからで、そこでウサギを月に連れて行くという。ウサギの描写は<前編>を読んだ感じと表紙を見た限りでは、完全に人の形をしているのか、それとも本当に兎の形をしているのかは判然としませんが、恐らくはそんなの関係無ぇ! 取り敢えず文章上の表現だけ楽しみな! 的なスタンスと推察。
 百合だしね。
 ファンタジー的な要素として、月のウサギ達の文化形成とかは面白いですな。ただ何で女の子しか居ねぇの? というところは、<後編>で追々説明されるのか、そもそもジャンル的にそんな事を訊くのは野暮なのでしょうか。

 月のウサギには、それなりの文化があって全体の装飾的な長を務める『アセビ』と、ルナリアン(作中だと月人って呼んでる)との繋ぎをする巫女という『ヒナギク』が居ます。で、このアセビと番としてパートナーであるエリカというウサギ+先述の役職のウサギがメイン張ってる感じです。
 基本は女子高生ちっくで、アセビはおしとやか、エリカは勝気、ヒナギクは委員長型。大体こんな感じ。

 三人称で物語を進めているのですが、ところどころで誤字や主語の揺らぎが見えてしまったので、そこはちょっと推敲・校正が足りなかったところでしょうか。ですが、読み進めていけばある程度気にならなくなるレベルではありますので(本当は駄目だけど)、さくさくと読めます。ただ軽快という意味ではなくて、ゆったりとした雰囲気を楽しみながらですので、牧歌的な文章が得意そうだな、と。
 その分、派手な演出の場面との差異があるのも確かで、ちょっと慣れていないのか、それとも単純にそういう視点での描き方なのかは判りませんが、違和感もしかとあり。まー、個人的な見解ですわ。

 全体的にも短めの作品ですので、挿話毎の繋がりから月のウサギ達の歴史を少しずつ紐解いていくザッピング的な視点の移り変わりが面白いです。恐らくは<前編>で月のウサギ達の大凡の事を説明して、<後編>からやっと問題というか、物語が動き出すんでしょうか。
 と、言う訳で下から<後編>感想。


▼<後編>感想
 あ、はいはい。本当に女神って神様だったのね。そして男が居ないのは意図的だったという。

 <前編>の時点でちらりとアポロっぽいのが着陸していて、その乗組員と接触した事で、男の存在を知ったという場面があったので、やはりそれが契機になるのかなー、とは思っていたのだけれども、何故か乗組員側からには月のウサギの姿が見えないという描写がされていた謎が最後までよく判らないままでしたが。

 最終的にはウサギ達は月に於いて女しか居ないという状況を不思議に思わない様に女神達に仕向けられていた事と、男との接触が原因で崩壊してはいるのですが、その辺りのアセビとエリカの自分達の与り知らぬところでの思惑に巻き込まれるというのは良かったですな。
 二人が終わりに救われたのかどうかは個人的には少し疑問でしたが。

 あと、終盤の劇。
 あれが作者の木谷裕さん的に劇中劇なのだとしたら、中途半端に観客の描写を居れずに、思い切って周りとは隔離してその劇の為だけの場面にして欲しかったなぁ……その方がエリカとアセビの動きが劇中にそのまま投影されて、劇自体の最後の役と自分の混合が盛り上がったと思うんだけれど。まぁ、観劇している少女達の描写が無いと、その後の結末に繋げるところが弱くなってしまうのもあるんでしょうが。

 読み終わった後の読後感としては挿話でのオムニバス形式を利用した独白的なエピローグは好み。けど、要所要所でどうにも説明が足りない様な気がするのもありましたね。
 どうせならもう少し神様としての女神達の描写を多くして、何をどうして女神達は考えていたのか、明白にしない程度に読者に考えさせる程度の場面が欲しかったり。あと、赫夜姫を知っているかどうかが問題なのかはよく判りませんが(俺が竹取物語とかそんなにしっかり読んだ記憶が無いから)、かぐやの立ち位置がただの憂慮の傍観者にしか思えなかったので、女神達の策謀に一体どんな意味があったのかも判らず仕舞いで……

 いや、行間読めって言われたらそれまでなんだけどさ。

 ですが、全体的にきちんと書かれていた好感触なお話でした。ただ、短編毎にして無理矢理纏めようとしたせいか、寸足らずな部分はもうちょっと補完して欲しかったです。

 こんなところか。
 さぁーて、買った同人誌の感想を出来るだけ冬休み中に消化しよう……

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