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Wordちゃんによる小説同人誌の作り方

「wordちゃんマジword」

 ――こんな事を思った人は多いのではないだろうか?
 あの糞アマ(※語弊あり)、何でいつもしょうがない事ばっかりしやがる。ドジッ娘か? ドジッ娘アピールなのか? と愚痴りながらも何だかんだで使っている人、もしくは使わざるを得ない人が多いと思われる中、ここではwordちゃんによる小説同人誌の体裁の整え方でも書いてみようかと思います。

 俺が使っているMSWordが2007なので、2007の機能とレイアウトで話していきますが、wordちゃんの基本機能的には殆どどのWordでも可能だと思います。

■ページの設定をする

 まぁ、当たり前ですが一番最初の部分です。 
 取り敢えずやっていきましょう。

 1.原稿サイズ
 先ずは[ページレイアウト]>[ページ設定]を開いてください。
 ダイアログが出てきますよね。出てこない人は多分そのWord壊れているので修復して下さい。

 そのダイアログから[用紙]タブを選択すると、用紙サイズが選べます。
 それで終わりです。
 
 何を言われてもそれで終わりなので困ります。
 補足としては、新書サイズは105×173とかですが、印刷所さんによって変わるので、そこを参照して下さい。

 2.ページ余白
 次はページの余白設定です。再び[ページレイアウト]>[ページ設定]を開いてください。ダイアログにずばり[余白]タブがあるので、そこを選択すると上下左右の余白を弄れます。

 ここは本を作る際の好みになりますが、通常の小説体裁にしたいという人は、
 上12mm 下12mm 左10mm 右10mm
 にして、あとは自由に微調整すればいいと思います。

 あと、ここでちょっとしたポイントなのですが、このままの状態で原稿を作って印刷所さんに出すと、恐らく本として綴じた時に本文が中央の綴じ代部分に巻き込まれます。
 なので、それを回避する為に、[余白]には[とじしろ]という欄があるので、そこで調整しましょう。
 大体、3mm程あれば大丈夫だとは思いますが、そこもやはり好みで調整を。

 3.文字数と行数
 まだページ設定のダイアログのターンです。次は[文字数と行数]タブを選んで下さい。そこで先ずは、文字方向を縦書きに変えましょう。

 有り難い事に、wordちゃんはここで用紙の向きも一緒に変えてくれる事があるので、下のプレビューが横になっていたら先刻の[余白]タブから印刷の向きを縦に直しておきましょう。

 あと、新書の本を作りたい人や、B5サイズで文章を二段構成にしたい人は、序でに段数の数字を2にしておきましょう

 次に[文字数と行数を指定する]にチェックを入れ、これまた好みの文字数と行数を指定しましょう。で、また通常の小説体裁にしたいという人は、
 文庫本:文字数36 行数16
 新書本:文字数20 行数16(二段組の場合)
 新書本:文字数40 行数16(一段組の場合)

 にして、これまたやはり調整すればいいと思います。

 これで、ページ設定は終わりです。

■本文の行間隔の調整

 次は本文の行間隔の調整です。
 ルビを使う人はが誰でも経験した事があると思うのですが、wordちゃんはルビを使うと行がやたらと幅を取りますよね?
 その問題を解決したいと思います。

 ルビを振るとずれる理由は、[表示]>[グリッド線]で、行の線を表示すると判ると思います。



 判ったでしょうか? 何とwordちゃんは親切にもルビを振ると、そのルビの文字すらも一行として扱ってくれるのです
 日本語には要らない機能ですねこれ。

 まぁ、システム的な詳しい事は知らないので、恐らくそうなのだろうという推測で物言ってます。原因違ったら済みません。

 当然、これを解決する方法はあります。
 [ホーム]>[段落]を開いてみましょう。
 そこに、[1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる]というチェックボックスがあります。こいつが原因です。
 なので、外してみましょう。



 見事に行に収まりましたね。
 ただ、これでもまだグリッド線を見てもらうと判るのですが、きちんと行内には収まっていません。なので、調整をしてみます。

 ただ、この時に注意してほしいのが、改行です。
 通常のEnterを押して表示される曲がった矢印は『改段』で、本来Wordの『改行』はShift+Enterで表示される『↓』です。

 これらの違いは、俺もちゃんとは知らないのですが、
 改段:前の行の設定を引き継がない
 改行:前の行の設定を引き継ぐ

 と言ったところでしょうか。

 なので、普通に文章を改段をしている場合は、行毎に一つの『段』として塊を生成しているのですが、改行をすれば全体が『段』となります。



 こんな感じですね。
 ここで行間調整に戻りましょう。

 先程の[ホーム]>[段落]を開いて下さい。
 そこに[行間]という欄で、[1行]と入っている場所があります。これを固定値にしてみましょう。
 すると、[間隔]に[12pt]と数値が入ったと思います。これを好みの数値にすれば行間隔を細かく設定する事が出来ます。

 この行間調整の設定、段毎に為されているらしく、ただEnterを押して改段した文章だと、設定を段毎にやらなければなりません。
 そこで、Ctrl+Aで全体を選択してから調整をしましょう。

 ここの数値は、大体でページ設定に表示されている[行送り]の数値でぴったりだと思います。あとは微調整を(ry



 こんな感じになります。
 で、気付いたと思うのですが、ルビが見えなくなりましたね。

 仕様です。

 wordちゃんの仕様です。ルビが隣の行に被った時に、ルビは後ろに行きます。ルビは恥ずかしがり屋みたいです。これの解決策は知らないので、知っている人が居たら教えて下さい。

 因みに、印刷する時にはちゃんと出力されるのでご安心を。PDFとかで見てみるといいと思います。



 ほらね……ってルビ近いよっ!? 何やってんの?!

 って、まぁ、知ってましたが。
 ルビ近過ぎますね。嫌ですね。見栄え悪いですね。
 ですがこれも解決出来ます!!(ババーン

 先ずは振ったルビの設定を見ましょう。
 ルビ振った文字を選択して[ルビ]を開くだけでいいです。
 で、そこに[オフセット]という値がありますよね? この値を少なくすれば、ルビをより文字に近付ける事が出来ます。

 もう値が0じゃねーか!! と思ったそこの貴方。甘い。貴方はwordの謎仕様をなめている。
 [オフセット]を空白にしてEnterを押して下さい。そうすれば全て解決します。
 決して[OK]ボタンをクリックしないで下さい。その場合、[オフセット]の値に再び0が入力されてしまいますので。
 その結果がこちらです。



 判りますか? 微妙ですが、確かにルビの位置が変わっています。これだけでも本を読む時の見栄えはかなり変わりますし、まだ隣の行に近いと思ったなら行間隔設定を少しだけ広くすれば解決します。

<追記>:2015/6/24 ルビの設定について
 ルビの設定について最近知ったのですが、Alt+F9によりルビの詳細設定を出来る様です。
 細かい事は面倒なので割愛しますが、一度やってみるとどんな感じか判ると思います。

 本文を編集するのと同様の感覚で弄れる上に、ルビの詳細表示中は、置換機能の対象等にもなるので、結構便利です。
 Alt+F9により表示された"hps"と"up"というパラメータの値を変更する事で、ルビのオフセット位置とフォントサイズを変更する事が出来ます。

 通常の状態に戻す時には、再度、Alt+F9で戻りますので、一度お試しを。
</追記>

 とまぁ、こんな感じで小説本文の体裁の整えられます。
 あとはページ数やら何やらは、ヘッダーとフッターで出来ますし、特に説明は要らないと思います。

 他に「これどうすんの?」って思った事があったら、訊いて下さい。答えられたら答えますよ。

 ただ仕様上無理なものは無理だ。
 それが「wordちゃんマジword」の由来である故に。

 あと、間違いがあったら済みません。自分で無理矢理に覚えた我流のWord活用法なので、全てが正しい事を期待しないで下さいね。

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暗黒定数式:迷い込んだ世界 ちょっと物足りなさ感

暗黒定数式』のオムニバス集に収録されていた南山まさかずさんの作品です。

タイムトラベルもの。と見せ掛けた多元宇宙移動もの。
導入で、ある程度の視点主の存在を仄めかしていてたので、視点のザッピングも特に気にせずに読み進める事が出来ました。

全体的に、さくさく読める文体で読み易かったです。

2012年から2533年に偶発的に時空間移動をしてしまったという裕也君を中心に、物語が展開するのですが、2533年には宇宙人が居たり、肉体改造済みの超人が居たり、人体量子コンピュータが実用化されていたり、ハイパービルディングを余裕で超えて成層圏すれすれの建築物があったりと、ぶっ飛んだ時代になっています。

上記の様に、設定はSFとして色々なものがちりばめられているのですが、個人的にはもうちょっと、個々の要素の全景についての描写が欲しかったところ。

タイムトラベルと見せ掛けた多元宇宙移動という物語だったのですが、伏線を張ってからの回収がちょっと早かったかな? とも感じました。
裕也君が居た時空と、移動先の時空での原爆ドームの有無が伏線となっていたのですが、その後での裕也君が知っている歴史への言及が早過ぎたかなぁ、という気も。もうちょっと引っ張ってもいいギミックだった様な……というか、これ一つで十分に短編としてのギミックとしては面白かったので、ネタバラシが早過ぎた感はありました。

記事の冒頭で盛大にネタバレしてますが、タイムトラベルと見せ掛けて多元宇宙的な宇宙間移動だった、というのがとても面白かったです。
ただ、その理屈の骨子になっていたM理論って多元宇宙を説明するものだったっけ? と、疑問符が出たので、今度ちょっと調べてみようと興味が。

最終的には、結局、何がテーマだったのか判らず仕舞いでした。
未来でのドタバタした話を描こうとしていたのかなぁ? と、思ったり。ぶっ飛んだキャラが、ぶっ飛んだ話を展開する様な。
そう言った、エンタメ狙いだったとしたら、何と言うか、展開されている物語の規模の割に、話の大きさが伝わって来なかった印象でした。

一つの宇宙規模の話だったのに、思ったより個対個の争いで完結していたかしらん?

キャラをもっと濃くさせる(背景設定は十分濃い)か、叙述トリック的に裕也をタイムトラベラーと見せ掛けた部分を軸に、話を二転三転させるギミックとか欲しかった気がして、少し物語の設定に対して、内容に物足りなさがありました。もっと判り易いド派手な展開でも良かった気も。

肝心の多元宇宙移動をした裕也君が割と空気だったので、巻き込まれ系主人公っぽい自発的な行動とか、決断がもっとあっても良かったかなー。

良く言えば王道で、悪く言えばベタ、という様な感じでした。

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暗黒定数式:Sophiya's Last Theorem 世界観と物語がミスマッチに感じた

暗黒定数式』のオムニバス集に収録されていたパスベルスさんの作品です。

『フェルマーの最終定理』をオマージュしたタイトル。ラストも、フェルマーの「余白が狭過ぎる」のパロディーかしらん?

前回の『λ ABSTRACTION』と同じく、λ抽象学院の女子生徒達のお話です。
ざっくりと話の流れを言うと、主人公であるアリスの寮室にあるサーバがサイバーテロの踏み台にされたっぽいから、同じ寮生であるソフィーヤ、古園井と犯人を突き止めよう、というものです。

そのサイバーテロは、量子コンピュータでは容易に突破出来るが、古典的なノイマン型コンピュータじゃ計算時間が掛かり過ぎて暗号解読が無理というRSA暗号に対して、量子コンピュータでも計算時間的に解読無理という事で普及しているというGGH暗号が突破されたというのが要点になっています。

で、まぁ犯人はソフィーヤなんですけどね?

前作とは違って、用語やガジェットの説明がきちんとされていたので、読み易かったです。
ただ、文章中で(最早これは俺の好みの問題だけど)半角英数字が出てくるのが、やっぱりリズムが悪く感じてしまいました。

アリスをちょうど『探偵役』の様にした一人称視点で物語は進みます。
その途中で、ソフィーヤを天才として持ち上げようしているけれども、そもそもλ抽象学院自体が、名門中の名門校という説明だった筈なので、何か暗号化方式の基本的な理論説明だけでは、今ひとつ凄さが伝わりませんでした。逆に、主人公のアリスがただ不勉強なだけでは? という印象に。
もっと別に天才度合が伝わる様なものを簡単に表現してしまっても良かったかも知れません。単純に学年トップの成績だとか、色んなアルゴリズムコンテストの受賞常連だとか、そんな感じで。

GGH暗号を突破したソフィーヤが暗号に詳しい事を描こうとしていたのかしらん……?

SFとしては、近未来を描いているというよりも、現代の視点で未来を説明している感じになっているのが多少気になったところです。
量子コンピュータの市販化による情報工学技術の歴史的な変遷の設定が余り詰められていない様に感じられました。
もしくは、量子コンピュータ自体は市販されているけれども、まだ一般には普及していないとか、技術的にまだ過去のものが十二分に実用に耐えている理由が欲しかったところ(何しろ時代設定が『2045年』な訳だし)。
っていうか、ムーアの法則的には2045年のCPUって、まだ256bitぐらいだっけ……?

全体的に、作品から読み取れる世界観設定に対して、SF的な仮想科学感が物足りなく感じました。
暗号化の対象となる通信情報にしても、量子コンピュータの実用化がされている時代で、量子通信について言及されないで、TCPだけの話になっているのも気になります。
読んでいて、無理に近未来の時代背景を設定する必要は無かったんじゃないかなぁ、とか思ってしまいました。寧ろ、近未来になっているせいで、作中の世界観の技術が余り現代と変わらないのが物凄く違和感として残ってしまったところ。

情報工学系女子の日常としては、とても面白いし、キャラ付けもしっかりされているので、普通に現代を舞台にした最先端の特殊な情報工学専門学校とかでも良かった様な気もします。

あと、全体的に技術説明がwikiでも読んでいるかの様で冗長でした。もっと簡易的ですっきりした説明でも良かった気が。TCPパケット構造上の制御フラグの説明とか、丸々要らなかった気がします。
CUI系の操作の描写も、一々詳細を説明しないで、やる事だけを描写した方が読み易かった様に思います。説明の為に話が中断されるので、読んでいる側としてはテンポが悪く感じてしまいました。

最終的に、暗号化による完璧な秘匿通信の不可能性への言及がされていて、インターネットの通信を完全にオープン化すべきと言う思想について、ソフィーヤが話すのは面白かったです。
ただ、そこに至るまでの論点が技術的な視野しか無く、社会的影響を鑑みていないのが、狭窄的で気になりました。何故、ソフィーヤがそんな事を思い付いたのか、全く説明されないまま突然に犯行動機を話したので、もう少しその辺も描写して欲しかった。

アリスが、犯人がソフィーヤである事を理詰めしていく描写も不要だった様にも思います。
ミステリで言うとフーダニット的にしていたけれども、物語の性質的にはホワイダニットにすべきだったと思いました。その方が、動機についての掘り下げも出来ただろうし、ソフィーヤの動機の突然さも無くす事が出来たと思います。

あと、ソフィーヤがどう考えても発信地が露呈する様な方法で犯行を実行したのが謎でした。
本気だったなら、それこそネカフェなり何なりの公共施設から同時多発的に仕掛ける事も出来ただろうし、天才と説明されているキャラの割には少々お粗末な気も。
その辺で、ソフィーヤが犯行を本気で行っているのか否かが、よく判らない感じになっていました。

ソフィーヤとアリスの視点をザッピングさせて描写する、とかでも良かった様な気もします。
犯人と探偵役、みたいな感じで互いの心境を語らせながら話を進めれば、二人の仲についても、もっと語れたんじゃないかなぁ、と勿体無く思う。
前述する犯行動機についても、ソフィーヤは「アリスだから」という理由で話していますし、二人の仲の良さについて人間関係をこの作品単体で読み取れなかったのが残念。

全体的に作中で語られていないバックグラウンドが多そうだったので、専門用語の説明をもっと簡便にして省いて、そこに注力して欲しかったです。
あと百合っぽさがね、もうちょっとね、露骨にあざとくても良かった様な気もする。

それと、古園井ちゃん空気過ぎるよ……。

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暗黒定数式:λ ABSTRACTION いわゆる、エンタメ系?

暗黒定数式』のオムニバス集に収録されていたパスベルスさんの作品です。

近未来を時代背景としたλ抽象学院という工学系の女子高に入学する女の子達の話です。

全体的に、何を描きたかったのか、今一つ解りませんでした。
『情報工学系女子の日常小説』的なものを書きたかったのかなぁ……?

初っ端で、何かのメモ書きの様なものがあり、それが2045年を示唆していた様なので、『2045年問題』ものかな? と思いました。
『2045年問題』で一番最初に誕生した技術的特異点の人工知能の話なのかなー、とか思ったり。全然関係無かったけど。
多分、小ネタ的に仕込んでみたのかな……。

そしていきなりかっ飛ばしの専門用語の英文字列。
正直、ルビなり何なりで読む側に日本語で伝わる様にしても良かったのではないかと思ったり、あと英単語で表記する必要があるのかそこ?(Schemeとか) というところがあり、読み始めから文章のリズムが悪く感じて、ちょっと入り難かったです。

知識が無い人にも伝わる様にしなければ、小説としてのガジェットはまるで意味を成さないガラクタになってしまう様な気がするので、ちょっとどうかなぁ……とか思ったり。然して本編に関係無い要素だったり、意味の解る人にだけ伝われ! 的なコンセプトなのかしらん?

表現の手法としては手記的? ……と言うよりも、全体的に描写が淡白過ぎる感じでした。
主人公の古園井ちゃんの感情表現が、一人称視点の割には、ただ羅列されただけの様になっていて、何となく機械的に思えました。キャラ付けの為の淡泊な文章だとしても叙述的過ぎて、キャラクターとしての抒情さが余り感じられませんでした。
小学生の頃から情報工学にド嵌りしていて内気な子というキャラクター性だと思うのですが、事実だけしか書かれていない様な地の文だったので、もう少し描写を増やしてほしかったところ。

λ抽象学院への受験時も、面接を受けている時のガチガチに緊張している感が、一人称なのに何処か三人称的な気がしたので、何処かちぐはぐな印象。
そして面接後に面接官が突然に受験生を送るという展開には無理がある……古園井ちゃんが特別な生徒だったりするなら解るが……

全体的に描写が甘かった様な気がしました。読んでいる側に伝えるべき情報が書かれていないせいで、情景がイメージし難い……面接官の先生二人の性別も、名前から連想出来る程でもなく、かと言って容姿と口調から解るのかと言われても微妙だったりと、色々とつっかえながらの読み進めに。もう少し、地の文での明確な情報量を増やしてほしかったです。

あと、クラス分けの組名にギリシャ文字が使われているのですが、これを表記に使う理由が特に無くて、これまた日常的には見慣れない文字なので、文章のリズムが悪くなっている一因に感じました。

同級生デリアや、他のクラスメイトの登場シーンは流れは自然で、日常の出会いの中で仲良くなっていく感じが、学園ものという何と言うか、青春というか百合? 的に良かったのですが、キャットだけが物凄く唐突に現れた様な感じに見えました。
クラス分け表の場面で登場させずに、教室での自己紹介シーンで印象付けた方が良かったのではないのかなぁ……

うーむ。全体的には、やっぱり描写が不足していて衒学的な内容に感じました。

寮の組み分けについての説明も冗長になっただけに感じたり、他の情報工学系のキーワードに対して何故かLANとWANの説明はきちんと入ったりして、説明が為される要素に疑問符が付いたり。

あと、量子コンピュータが十二分に(RSA暗号突破出来るレベルで)実用化されている時代背景なら、既存のプログラミング言語淘汰されてね……?

技術的にインフラシステムの入れ替えの関係上とかで、中々まだまだ生き残っているとかならまだしも(銀行系システムとかのCOBOLみたいに)、特に説明もなくノイマン型コンピュータの言語が生き残っているのが割と謎……。

あと、個人情報の扱いが、インターネットが普及してかなり手軽にLAN内で色々な情報が(多分SNS的に)扱える様になっている上に、スーパーグローバルな日本学校として説明されている割には、留学生達のプロフィールデータとかが日本語表記じゃなくて、母国語だったりしたのが不自然な感じに。

留学生が多い事に関する説明にしても、外国人という理由だけで優遇される、というのが何か違和感が残りました。工学系女学生を育成する学校なのに、外国人だというだけで授業料免除とはこれ如何に。
外国人のキャラを沢山出したかったのであれば、もっとλ抽象学院そのものを、世界有数の名門校にしてしまった方が良かった様な気も……。

全体としては、日常系の第一話部分のみ、という感じで、キャラクター紹介を行っただけの様な話だったので、短編として完結させるのならば、最初から学校生活を描いてしまった方が面白くなったんじゃないかなぁ、と。

キャラクター達も、それぞれ人種・国籍が違ったり、好んでいるプログラミング言語等を個別に設定していて、割と濃い目になっているので、それをもっと単純娯楽的に纏めた方が良かった様な気がしました。
情報工学の知識として描く部分の濃淡をはっきりとさせて、キャラの掛け合いとかの中に、しれっと濃厚な話をぶち込んだり……? 情報工学の話も解る人にしか解らないという感じになっていた(勿論、俺は全然解っていない)ので、もっと比喩的な表現を盛り込んだりして、知識の無い人にも伝わる様な工夫が欲しかったです。

何と言うか……芳文社とかの萌え4コマ漫画的な、感じに……いや何か語弊がある様な

どうやらパスベルスさんは、同誌にもう一作の短編を、同じ世界観で書かれている様なので、そっち側との繋がりも気になるところです。

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